ツアーチャンピオンシップはPGAツアー最終戦で、賞金配分が
平常の大会とは異なる特徴があります。2025年からの新ルール導入で、
総額や優勝賞金にも変化が生じました。本記事では、ツアーチャンピオンシップ
の最新の賞金総額・順位別配分、配分ルールとFedExカップとの関係、通常大会との違い
などを詳しく解説します。
目次
ツアーチャンピオンシップ賞金配分の仕組み
ツアーチャンピオンシップはフェデックスカップの最終戦に位置づけられており、その賞金配分は通常の大会とはまったく異なります。大会終了時の順位がそのままフェデックスカップ年間ランキングとなり、あらかじめ定められた配分テーブルに基づき上位30名にボーナスが支払われます。
配分金額はPGAツアーとスポンサーが合意のもと毎年設定し、各順位ごとに固定額が事前決定されます。つまり試合を通して獲得スコアを競うだけでなく、順位に応じてどれだけの賞金(ボーナス)が得られるかがあらかじめ決まった上で大会が始まっています。
FedExカップボーナスと公式賞金の違い
ツアーチャンピオンシップで獲得した賞金は、公式の賞金ランキングには反映されません。これは獲得金がFedExカップ年間ポイントに対するボーナスとして扱われるためです。通常大会では獲得金額がそのまま賞金ランキングに加算されますが、本大会は年間王者決定戦であるため、別枠のボーナス配分となります。
この制度では優勝者が大会優勝とともにFedExカップ年間王者になるため、非常に大きな報奨金が支払われますが、公式の獲得賞金額には含まれない点に注意が必要です。
全選手への賞金保証
ツアーチャンピオンシップは30人の無カット大会であり、出場選手全員に予め賞金が保証されています。
通常の大会では予選落ちすると賞金を得られませんが、本大会では最下位でも一定額が支給されます。例えば2025年大会では30位の選手にも355,000ドル(約5,300万円)の賞金が確約されています。
このようにツアーチャンピオンシップへの出場資格を得ただけで、必ずボーナスを受け取れる点が特徴です。
年間順位との対応とフォーマット変更
2019年からツアーチャンピオンシップでは起伏ハンデ(スターティングストローク)方式が導入され、大会終了時の順位とフェデックスカップ最終ランキングが一致する仕組みになりました。しかし2025年大会からはこの方式が廃止され、全員がイーブンパーからスタートする72ホールストロークプレーで年間王者が決定されます。
これにより最終順位とFedExカップ年間順位の関係は変わりませんが、順位決定の方式がシンプルになります。結果として、大会の最終順位そのものがボーナス配分に直結する点は従来通りです。
2025年ツアーチャンピオンシップの賞金総額と配分

2025年大会の賞金総額(FedExカップボーナスプール)は4,000万ドル(約60億円)に設定されました。これは2024年の1億ドルから減額されたものです。その分配うち、優勝者には1,000万ドル(約15億円)が支払われます。
優勝賞金は賞金総額の25%にあたり、通常の大会と比べて格別に高い比率です。この設定額はPGAツアーとスポンサーによって毎年合意のもと決められています。
順位別配当額(2025年)
以下の表は2025年大会での順位別賞金配分です。
| 順位 | 賞金 |
|---|---|
| 1位 | $10,000,000 |
| 2位 | $5,000,000 |
| 3位 | $3,705,000 |
| 4位 | $3,200,000 |
| 5位 | $2,750,000 |
| 6位 | $1,900,000 |
| 7位 | $1,400,000 |
| 8位 | $1,065,000 |
| 9位 | $900,000 |
| 10位 | $735,000 |
| 11位 | $695,000 |
| 12位 | $660,000 |
| 13位 | $625,000 |
| 14位 | $590,000 |
| 15位 | $560,000 |
| 16位 | $505,000 |
| 17位 | $490,000 |
| 18位 | $475,000 |
| 19位 | $460,000 |
| 20位 | $445,000 |
| 21位 | $430,000 |
| 22位 | $415,000 |
| 23位 | $400,000 |
| 24位 | $390,000 |
| 25位 | $380,000 |
| 26位 | $375,000 |
| 27位 | $370,000 |
| 28位 | $365,000 |
| 29位 | $360,000 |
| 30位 | $355,000 |
この表から分かるように、上位ほど獲得金額が増加し、1位は10,000,000ドルです。2位5,000,000ドル、3位3,705,000ドルと続き、10位でも735,000ドルを獲得します。2024年大会と比較すると優勝賞金は減少していますが、1位25%、2位12.5%という配分割合は維持されています。一方で下位の報酬は相対的に増加し、全体としてより幅広い選手に大きな配分が行われるようになりました。
ツアーチャンピオンシップと通常大会の賞金配分の違い

通常のPGAツアー大会は出場フィールドが多く、予選カットも行われます。一方、ツアーチャンピオンシップは30名限定の無カット大会であるため、賞金分配の考え方が異なります。加えて、獲得賞金が公式ランキングに反映されるかどうか、優勝賞金の割合、参加資格など、多くの点で通常大会と差異があります。
出場人数とカット制度の違い
先にも述べた通り、ツアーチャンピオンシップは予選カットがなく30人全員が4日間プレーします。通常大会では予選落ちした選手は賞金を得られませんが、本大会では出場するだけで最低賞金が保証されます。
つまり、通常のツアー大会と異なり誰もが最終日まで競技し、全員に何らかのボーナスが支払われる点が特徴です。
優勝賞金比率など配分割合の違い
通常のツアー大会では優勝賞金の割合は大会賞金総額のおおよそ18%前後となるのが一般的です。それに対し、ツアーチャンピオンシップでは優勝者に総額の25%が投入されるなど、比率が大きく異なります。
これは本大会が年間王者決定戦であることから、優勝に与えられる報奨が特に大きいことを反映しています。一方、2025年からは総額が減少したため、2位以下の分配も調整されています。
2025年からの賞金制度の変更
2024年シーズンを経て、PGAツアーはプレーオフボーナス制度(FedExカップ賞金)の配分方法を大きく改編しました。総ボーナスプールは依然として約1億ドルですが、その分配構造が三段階化され、また大会フォーマットにも変更が加えられています。
大会フォーマットの変更 (ハンデキャップ制廃止)
ツアーチャンピオンシップで2019年以降採用されていたスターティングストロークス方式は、2025年大会から廃止されます。これまではフェデックスカップ年間首位スタート選手が10アンダーから始める方式でしたが、新ルールでは全選手がイーブンパーからスタートし、伝統的な72ホールストロークプレーによって年間王者を決定します。
この改正により、最終順位=年間ランキングの直結性は維持されつつ、順位決定の方式がよりシンプルになります。
ボーナス配分の三段階構造
新制度ではFedExカップボーナスの配分が三段階に分かれています。まずレギュラーシーズン終了時にポイントランキング上位10選手に2,000万ドルが配分され、トップには1,000万ドルが授与されます。次にプレーオフ第2戦(BMW選手権)後、上位30選手に約2,393万ドルが分配され、この中で首位には500万ドルが支給されます。残りはツアーチャンピオンシップ本戦に振り分けられ、約5,708万ドルの中から優勝者に1,000万ドルが与えられます。
この変更により、年間王者(ツアーチャンピオンシップ優勝者)以外にも高額の賞金機会が拡大し、より多くの選手がプレーオフ進出の恩恵を受ける形となりました。
フェデックスカップチャンピオンの賞金変更
2025年からはFedExカップ年間王者の賞金が従来の2,500万ドルから1,000万ドルに大幅に引き下げられました。優勝賞金こそ減少していますが、総額に占める割合は変わらず25%です。
これまで2位以下には少なめだった報酬も引き上げられ、上位選手の収益機会が拡大しています。例えば2024年大会の2位賞金は12,500,000ドルでしたが、2025年は5,000,000ドルとなります。
まとめ

ツアーチャンピオンシップの賞金配分は、FedExカップ最終戦らしい独自ルールが特徴です。2025年大会では賞金総額4,000万ドル(約60億円)に対し、優勝者が1,000万ドル(約15億円)を受け取ります。順位ごとの配分は事前に公示された固定額で、30位までの全選手に賞金が保証される点が特徴です。これらの賞金は公式ランキングには含まれません。また、2025年からスタートストロークス制が廃止されるなどフォーマットの変更も行われ、フェデックスカップチャンピオンの報酬構造が大きく変わりました。優勝賞金は減額されましたが、上位選手全体への配分割合は以前より厚くなっています。
ツアーチャンピオンシップでは通常大会とは異なる資金の流れやルールがあるため、これを理解して観戦すれば試合がより面白くなるでしょう。最新の賞金配分ルールを踏まえつつ、選手たちの熱戦をお楽しみください。