毎年1月にワイアラエCCで開催される「ソニーオープン・イン・ハワイ」は、PGAツアーの年初のフルフィールド大会として注目を集める伝統の一戦です。最新の2025年大会では、総額約830万ドル(約11億円)の賞金が用意され、優勝者には総額の約18%にあたる約150万ドル(約2.5億円)が支払われます。
本記事ではソニーオープンの賞金配分の仕組みを詳しく解説します。具体的には、総額・優勝賞金の金額、順位ごとの配分割合とその内訳、同順位(タイ)発生時の分配ルールや選手への手取り額に影響する税金の処理方法などを取り上げます。
目次
2025年ソニーオープン 賞金配分の仕組み
ソニーオープンでは、PGAツアー共通の規定にしたがって順位ごとに固定割合で賞金が配分されます。2025年大会の賞金総額は約830万ドル(約11億円)で、優勝者には総額の18%にあたる約150万ドル(約2.5億円)が支払われます。これに続く2位は約10.9%(約90万ドル)、3位は6.9%(約57万ドル)と段階的に減少し、上位から順に賞金額が決まります。
賞金配分の基本ルール
PGAツアー標準の配分表に従い、1位から順に定められた割合で賞金が割り当てられます。
具体的には1位18%・2位10.9%・3位6.9%・4位4.9%・5位4.1%などが基本となっています。たとえば5位の配分は総額の4.1%に当たる約34万ドル前後となります。総額が変動すれば各順位の金額も比例して増減します。
同順位発生時の配分
同じスコアで順位が同列になった場合は、該当する順位に割り当てられた賞金を人数で均等に分けます。たとえば3位タイが2人なら、3位と4位の賞金額を合計して2人で割り、それぞれ次の順位は5位扱いとなります。
なお、優勝争いでプレーオフになった場合は、勝者が通常通り1位の賞金を全額獲得し、敗者は2位扱いで2位配分を受けます。
カットと賞金獲得人数
ソニーオープンは予選36ホール終了時に上位65位タイまでが決勝進出となり、これらの選手にのみ賞金が支払われます。したがって最終成績が65位タイ以内でなければ賞金額は0円です。
賞金配分の対象はプロ選手に限られ、予選落ちや非メンバーにはプレー有無にかかわらず賞金は発生しません。
アマチュア選手の賞金対象
PGAツアーの規定ではアマチュア選手は賞金を受け取る資格がないため、ソニーオープンに出場するアマは上位フィニッシュしても賞金額は0円となります。
(賞金分配表上の順位には名前が記載されますが、賞金額は含まれません。)
ソニーオープンの賞金総額と優勝賞金

最近のソニーオープンでは、スポンサーやメディア権料の影響で賞金総額が年々変動しています。たとえば2020年・2021年大会は約660万ドルの総額でしたが、2022年には750万ドル、2023年は790万ドル、2024年は約830万ドルに増加しています。
2025年も同程度の水準が予想されています。
優勝賞金の額と割合
大会の優勝者は総額の約18%を獲得するルールです。2023年の総額790万ドルでは優勝賞金は約142万ドル、2024年の約830万ドルでは約150万ドルとなりました。
同じルールで2025年も賞金総額の18%が優勝賞金となるため、総額増加に伴って優勝賞金額も増える仕組みです。
増額の背景
ソニーオープンはシグネチャー大会ではないため賞金総額は中堅クラスですが、スポンサー契約や放映権料の増加により徐々に増額傾向にあります。
年始初戦という枠組み上、出場枠が広い一方で極端な高額賞金ではないため、賞金増加のペースは比較的緩やかです。
順位別賞金配分の内訳

2025年大会の賞金配分はPGAツアーの標準的なテーブルに従っています。上位繰り上げで具体的に得られる金額は年度ごとの総額によりますが、2025年の配分例では以下のようになります。特に優勝賞金や上位入賞者の金額は注目されます。
上位入賞者(1~10位)の賞金
2025年大会の上位10位までの賞金額は日本円換算で下表の通りです。
1位から5位までの賞金を例示すると、1位約2億5000万円、2位約1億5000万円、3位約9500万円、4位約6700万円、5位約5600万円となっています。
| 順位 | 賞金額(約) |
|---|---|
| 1位 | 250,000,000円 |
| 2位 | 150,000,000円 |
| 3位 | 95,000,000円 |
| 4位 | 67,000,000円 |
| 5位 | 56,000,000円 |
| 6位 | 50,000,000円 |
| 7位 | 46,000,000円 |
| 8位 | 43,000,000円 |
| 9位 | 40,000,000円 |
| 10位 | 37,000,000円 |
下位入賞者とカット付近の賞金
最終賞金対象となる65位タイでは金額はおおよそ1万7千ドル(約190万円)前後となります。つまり上位入賞者の額と比べると非常に低く、カットライン付近では数百万円レベルになります。
また予選落ち(66位以下)の選手は賞金を受け取れません。
他のPGAツアー大会との比較
ソニーオープンはPGAツアーの標準大会に分類され、賞金総額は約8~9百万ドル前後で推移します。
これに対し、シグネチャー大会(例:AT&Tペブルビーチ、ザ・セントリーなど)は興金総額約18~20百万ドルと大きく、優勝賞金も約$3~3.6百万ドル(約40億円以上)に上ります。また、マスターズ($15M)や全米オープン($21.5M)のようなメジャー大会ではさらに高額の賞金が設定されています。
- 通常大会(ソニーオープン等): 賞金総額約$8M~$9M、優勝賞金約$1.4M~$1.6M
- シグネチャー大会: 賞金総額約$18M~$20M、優勝賞金約$3.2M~$3.6M
- メジャー大会: 賞金総額$15M~$21.5M(2025年予定)、優勝賞金$2.7M~$3.9M
賞金配分比率の共通点
PGAツアーの多くの大会では、賞金配分の割合が共通の標準テーブルに従います。
そのためソニーオープンに限らず1位18%、2位10.9%といった割合は同様で、異なるのはあくまで総額の大小のみです。
選手の賞金と手取り収入

優勝賞金のような大きな額を獲得しても、選手が実際に受け取る手取り額は税金や諸経費で大きく減ります。
米国では連邦・州税の源泉徴収がかかり、日本の居住選手には国内課税も必要です。また、キャディへの報酬(賞金の約10%)やエージェント料(約10~20%)も差し引かれるため、手元に残る賞金額は元の約半分程度になることが一般的です。
税金と手取りの例
たとえば、ソニーオープンで2.5億円(約150万ドル)の賞金を獲得した場合、米国で約30%が源泉徴収されます。
残った金額からさらに日本での課税(海外所得として)とキャディ・エージェント費用を差し引くと、最終的な手取りは元の総額の半分以下になる場合があります。米国籍選手の場合は国内課税が不要ですが、同様に源泉徴収の対象となります。
日本人選手の賞金事例
2025年大会では日本人選手が複数出場し、松山英樹選手は16位T(-11)で約2,092万円、平田晃一選手は21位T(-10)で約1,263万円の賞金を獲得しました(ともに米国税・日本国内税控除前の金額)。
これらの選手は予選を通過し賞金を得ましたが、予選落ちした選手は賞金0円となります(日本人の最高位は16位タイでした)。
よくある質問:ソニーオープン 賞金配分
以下はソニーオープンの賞金配分に関して読者から寄せられる基本的な疑問点へのQ&A形式の回答です。
賞金総額が年によって異なるのはなぜ?
賞金総額は大会のスポンサー契約やテレビ放映権料などに左右されるため、毎年変動します。
PGAツアー全体の収入状況や主催者の方針によって、前年と同額据え置きや増額が行われます。
アマチュア選手は賞金を受け取れるの?
いいえ、PGAツアーでは賞金はプロ選手のみに支払われ、アマチュア選手が賞金を受け取ることは規定で禁止されています。
ソニーオープンでもアマ選手は賞金獲得対象外です。
予選落ちした場合は賞金がもらえない?
その通りです。ソニーオープンでは予選カットで65位タイ以内に残らない限り賞金は発生しません。
カット落ちすると最終獲得賞金は0円となります。
賞金配分比率は他大会と同じ?
はい、多くのPGAツアー大会で賞金配分の割合は共通の標準配分テーブルに従います。
ソニーオープンに限らず1位18%、2位10.9%といった配分は基本的に共通で、差がある場合は非常に例外的な特別大会のみです。
まとめ
ソニーオープンの賞金配分はPGAツアーの規定に従っており、優勝者が賞金総額の約18%を獲得します。賞金総額は年によって変動し、直近では約830万ドル前後で推移しています。
順位ごとの賞金額は事前に定められた割合と総額から計算され、同順位が発生した際は合算して均等分割されます。予選落ち選手には賞金がなく、アマチュアはそもそも対象外です。獲得した賞金からは米国および居住国で課税されるほか、キャディやエージェントへの支払いも生じるため、選手の手取り額は総額から大きく減ります。以上のポイントを押さえておくと、ソニーオープンの賞金分配の仕組みを正しく理解できるでしょう。